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死を待つ人の家

充実した期間を過ごしました!

こちらは、約20年前に私が初めてインド・コルカタ(旧名カルカッタ)にて、マザー・テレサの慈善活動に参加した際の体験談です。滞在期間は約10日間と限られておりましたが、その中で実際に現地の様子を確認し、レポートとしてまとめたものです。なお、活動の内容については現在も大きく変わっておりません。マザー・テレサの活動は非常に有名であるため、ここで改めて詳細を説明する必要はないかと思います。

現地には知り合いもおらず、未知の環境ということで、不安を感じられる方も多いかと思います。そうした不安を少しでも和らげ、どなたでも気軽にコルカタを訪れ、マザー・テレサの施設での活動に参加していただけるよう、私たちもそのサポートにやりがいを感じながら取り組んでおります。

さて、私がボランティア体験したのはニルマル・ヒルダイ(カリガート)、俗称「死を待つ人の家」でした。

活動では、まず男性患者の方々に、金属の皿に盛られたバナナとパン2切れ、そして温かいチャイを手渡していきます。寝たきりの患者さんには、自ら口に運ぶことができないため、介助しながら一口ずつ丁寧に食べさせていきました。

その後、食器の片づけを済ませてからは、患者さんの沐浴―いわばお風呂の介助に移ります。多くの人がボランティアに担がれてお風呂に移動します。次々にやってくる患者さんの衣服を脱がせ、石鹸を使って体を洗い、汲み置きされたお湯で流していきます。自分で身体を洗える方にはあまり手を出さず、特に介助を必要とする方を中心に、丁寧に洗い上げていきました。

作業中はゴム製のエプロンを着けていたものの、私の足元はスニーカー。何の予備知識もなく現場に入った私は、ジーンズとスニーカーという普段着のままだったため、靴はすぐに水を吸いびしょ濡れに。途中からはジーンズを膝までたくし上げ、靴を脱いで裸足になり、そのまま作業を続けることになりました。

患者さんの中には、何か話しかけてくれる方もいました。しかし言葉がわからず、こちらは次々と運び込まれてくる患者さんへの対応に追われて、心の余裕もないまま半ばパニック状態に。そんな中、世界共通語ともいえる「OK?」を繰り返しながら、必死で意思疎通を図りつつ体を洗っていきました。

私が浴場で奮闘している間にも、他のボランティアの方々は使用済みの皿を洗ったり、ベッド周りの清掃を行ったりと、それぞれの持ち場で活動していました。

すべての患者さんの沐浴が終わり、最後の一人を担ぎ係のボランティアに引き渡した後は、今度は洗濯の手伝いに回ります。大量の衣類を、数人がかりで洗っていきます。洗濯機は使わず、水槽をいくつにも分けて、そこに衣類を移しながら順番に洗っていく昔ながらの方法。時には衣類をコンクリートの床に広げ、足で踏んで汚れを落とすという力仕事もありました。

すべて洗い終えた衣類は、施設の屋上や屋根に干されていきます。陽の光をたっぷりと浴びながら、衣類が風に揺れる様子を眺めていると、何かほっとします。そして屋上から見る光景はインドの喧騒です。

ここまでの作業で10時30分くらいです。この後約30分程度の休憩です。2階(テラスにもなっている)でチャイと、カレー、パン、クラッカーなどをいただきました。テラスから外の景色を見るのはなかなか面白いものです。

その日はコルカタに到着してまだ2日目でしたから、まだまだこの町の景色、音、そして空気の色はインパクトが強く、イギリスや日本、そのほかいままで見てきた諸外国との違いを満喫できました。この休憩でフランスやニュージーランド、そしてイギリスからきたボランティア人たちとも話ができ、いろいろ情報を聞けました。

この休憩の後、今度は昼ごはんの用意をします。食事自体は施設の2階のキッチンで作られます。われわれボランティアはそれを1階に運び、お皿に分けて患者さんたちに渡します。食べられない人にはスプーンで食べさせます。

昼ごはんの片付け、洗浄を終了するのが12時くらいです。これで午前中のボランティア活動は終了です。ボランティアの皆さまは三々五々それぞれの方向に立ち去っていきました。

コルカタでの滞在期間中、どこでボランティア活動できるか下記の施設3つを訪問しました。どの施設でもボランティア活動が可能です。午前中しか活動しなくても良いし、午後からだけでもよいです。 2020年にコロナが蔓延した後、2025年現在もまだ再開していない施設がありますので、最新の情報はお問合せください。

カリガート(Kalighat)
死を待つ人の家。重症と思われる病人が、100名程度
プレムダン(Prem Dum)
カリガートよりも比較的症状の軽い病人、障害者が、300名程度
シュシュババン(Shishu Bhavan)
子供の施設。200名程度

このほかにShanti Dam30名の子供(貧困や親のない子供達)150名の女子(精神的障害)の施設がボランティアとして参加しやすいとのこと。それ以外にもいくつかの施設があるのですが、コーディネーターによるとそれらの施設で活動するには特別な許可が要るとのこと。短期ボランティアには向いていない印象を受けました。

コルカタの情報は日本では少ないですね。読む本はどれもコルカタの貧困、路上生活者にばかり焦点を当てていますが30年前と今はかなり違うよと現地のコーディネーターが言っていました。イギリス統治時代の首都であったこの街には当時を彷彿させるなごりがあります。ビクトリア女王記念館はロンドンのセントポール寺院を思わせる風格があります。

数多くの博物館もあります。街のあちこちにイギリスコロニアル風の建物が残っています。現在はメインテナンスされていないのでこのようなビルは塗装がはがれ、ボロボロ状態ですが、いつか、きっと修復され、新しいインド旅行の脚光を浴びる日がくることを願っています。

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