参加者レポート
どっちが幸せなのだろうか?
◆ネパール復興支援ボランティア&ホームステイプログラム◆
◆参加期間◆ 2016年 2月 23日 ~ 2016年 3月 1日まで ( 1週間)
◆参加の動機◆
海外ボランティア経験を持つ、非常に人間性の深い友人に影響を受けて。自分の知らない世界を見ることで、自分の中に新たな気づきや価値観が生まれるのではないかと考えた。また、人に笑顔をもたらすことは私の人生の目標であるので、その活動の一環として。
数あるボランティアプログラムの中から、震災復興を選んだ理由は次の通り。
・東日本大震災の被害を目の当たりにし、以前に東北でのボランティア参加を希望したが叶わなかった。
・滞在期間が1週間~から選べたので、学校が忙しい自分にとっても参加しやすかった。
・ボランテァイア参加費用が、良心的な価格であったこと。
◆ホームステイ滞在に関して◆
家族構成: お父さん お母さん 子供2人 おじいちゃん 犬
食事: おいしかった
生活形態について(日本での生活と較べて異なる点、注意点など):
・電気…1日の中で、停電している時間の方が長い。特に明かりが必要な夜も、電気が使えるのは夜の10時~明け方まで。ただし各家庭には懐中電灯や充電式ライト?があり、停電中はそれらでしのいでいます。
・水…断水の時間帯があり、その間は水が使えません。口に入れる水はミネラルウォーターにした方が良いです。近所のお菓子屋さんやスーパーで1リットルのものが売っています。ただし私のホームステイ先(Rajan宅)で食事時に出されるお水は飲んでも大丈夫でした。変なにおい等もなし。トイレについてもホームステイ先では基本おしっこは流さない、レバーをひねっても水が流れなかった。レストランやショッピングモールのトイレは常時流れるところが多いです。
・シャワー…4日に一回ほど浴びた。お父さんが気をつかって、シャワー浴びる?と聞いてきてくれました。温かいお湯が出るように設定してくれます。また、もう少し高頻度で浴びたい場合は、家族に言えば浴びさせてくれます。
・ペット…ワンちゃん(ココ)は基本的に知らない人には吠えます。部屋に入ってきておしっこをかけられることもあったので、それが嫌な人は部屋のドアをぴったり閉めておくと良いでしょう。
・交通…道路は、日本のように車線や歩道が整備されていない。そのためクラクションが常にあちこちから聞こえる状態。日本ではクラクションを鳴らされるといやな気持がするが、ネパールの人々は、危ないですよ、出てこないでね、という忠告のために鳴らしていることが多いので、気分を悪くしないでください。笑 また、渋滞が多発、特に夜はより一層道路が混雑する。
・大気…カトマンズやパタンでは交通量が多いため、かなり空気が汚い。マスク着用が必須。マスクをしていても、すぐに内側が黒っぽくなる。鼻の中も真っ黒になる。うがいすることをおススメします。
感想:
一家のみんなとても親切で、いつも笑顔で接してくれます。とても暖かい家庭です。
日常会話に関しては、お母さん以外は英語を話せます。ただ、ネパール人の英語はなまりが強く、聞き取りにくいことが多かったです。お母さんと会話するときはジェスチャーを用いたり、それで難しければほかの家族に通訳をお願いしていました。
朝ごはん、夜ご飯を毎日いただいていました。メニューはダル(豆のスープ)バール(米)は毎日、その他にジャガイモやチキン、玉ねぎなどの炒めものが日替わりでつくことが多かったです。スパイシーで美味しかったです。食べ終わったそばからご飯を足されるということはありませんでした。お母さんが作ってくれるチア(紅茶にミルクと砂糖を入れた温かい飲み物)はとても美味しいです。
夜の停電時に家族みんなが集まる寝室に行った時、お父さんと息子さんがおいでと言って一緒の毛布に入らせてくれて、とっても嬉しかったです。息子さんがお父さんのことをbest fatherと言っていて、見ているこちらが温かい気持ちになりました。娘さんは私の滞在中は家にいないことが多く、たくさんの会話はできませんでしたが、とても気さくでかわいいです。アクセサリーをとても喜んで受け取ってくれました。おじいちゃんは体を思うように動かせませんが、あいさつに行くと満面の笑みで迎えてくれます。英語がやや通じることにびっくりしましたが、それ以上にその笑顔にこみ上げるものがありました。
◆ボランティア活動に関して◆
どんな活動をされましたか:
ブンガマティという町において、
・震災復興活動
・子供たちとの交流 を行ました。
活動内容と感想(活動期間、回数、時間等も併せてご記入下さい):
・震災復興活動 … 被害をうけた家の瓦礫撤去。瓦礫の中から使用できるレンガを回収。
活動期間:2/25~27の三日間 時間:11時~3時程度。
内容: 26日は小学校おいて、27日は学校が休みだったため、ブンガマティの広場にて。
活動期間:2/26~27の二日間 時間:13,14時~15,16時まで。
日本の遊び(折り紙、おにごっこ、だるまさんが転んだ等)を教え、一緒に遊びました。子供たちは非常にエネルギッシュで、こちらのアクションに対しとても元気にレスポンスしてくれます。
ホームステイ先からボランティア活動先までの交通手段は:
ホームステイ先→→(徒歩25分)→→チェイワンのオフィス→→(徒歩10分)→→バス停→→(バス30分)→→ブンガマティバス停→→徒歩10分→→活動地
持ち物に関して
日本より用意し、役に立ったものは:
ウエットティッシュ、赤ちゃん用おしりふき、マスク、小型の選択ものかけ、手指消毒用ジェル、ウイダーエリー(おなかを壊した時でも食べられた)、小さいビニール袋たくさん(トイレでティッシュを捨てられない場合に役立つ)、トイレットペーパー、おりものシート(パンツを清潔に保てる)
その他、便利だと思うものは:
上記のもので十分でした。ただ、トイレットペーパーは一週間の滞在で1ロールもいらないくらいで十分です。私は持っていきすぎました。笑
バクタプル観光に関して(参加者のみ)
感想:
参加して良かったです。多くの歴史的建造物やお土産物もの屋があります。神聖な場所や、昔の王様の風呂などを見て回りながら、チェイワンがネパールの文化・歴史を説明してくれました。
お土産もの屋に関しては、非常に美しいストールを売っているお店が多数あります(カトマンズ市内ではあまり見かけなかった)。とてもきれいで、カシミヤ100%手触りも最高です。値段も1000ルピーほどで、この質でこの値段はすごいと思います。バクタプルに行く前に、ルピ―に換金しておくことをおススメします。
◆カトマンズに関して◆
お勧めの観光スポット、お店、レストラン等があればお知らせ下さい:
・パタンのバルバールスクエア…オリエンテーションの日にチェイワンとロビンが案内してくれます。歴史的な彫刻、建造物がある。また、たくさんの市民が集まり、楽しそうに会話をしています。その様子をじっと見ていと色々な発見があるかもしれません。
・ベーカリーカフェ…チェイワンのオフィスからバス停に向かう道中にあります。内装もきれいで、料理もおいしく、トイレも水洗、Wi-Fiも使用できるので重宝していました。会計時には頼んだ料理の料金+サービス料?のようなものが加算されます。日本では料理の料金だけ請求されるのが普通ですので、最初は少しびっくりしました。
・The Cewic clinic …カトマンズ市内にある、外国人専門の病院です。私が食あたりした時にかかりました。CECで加入を勧められるエース海外旅行保険と提携している病院です。看護師さんが親切、部屋がとても快適です。保険の使用にあたっては、日本語をしゃべれる現地女性スタッフが手続きをスムーズに行ってくれ、とれも助かりました。
反対にお勧めできない場所等があれば、その理由もお知らせ下さい:
特になし。
カトマンズ以外の街を訪れた方は、下記の質問にお答えください
どちらに行かれましたか:
ナガルコット
交通手段、かかった時間、費用は:
車、バクタプルから1時間くらい。130USドル(バクタプル観光とナガルコット1泊セットで)
感想:
値段の割には充実したサービスではありませんでした。シャワーの水流は弱く、ぬるかったです。バスタブが割れていたためお湯もはれず、シャワーの時間は凍えそうです。また、部屋のコンセントはプラグがよく刺さらず、固定していなければ充電できませんでした。Wi-Fiも思ってたより弱く、パソコンでインターネットを使おうにも使えませんでした。
食事に関してはバイキング形式で、宿泊客が各テーブルに分かれ、一斉に食べます。比較的野菜を使ったメニューが多くて嬉しかったです。
朝はみんなで日の出をみました。残念ながら霧がかかっており、ヒマラヤ山脈を拝むことはできませんでしたが、真赤に燃える太陽をくっきりみることが出来ました。日本人の感覚からしたら、満足したサービスではないかもしれませんが、これもネパールを味わうという意味で楽しいと感じました。ホテルには様々な国籍の宿泊客がおり、一緒に話をしたり、有意義な時間を過ごせます。
◆ご参加頂いた時期に関して◆
気候、お天気はどうでしたか:
乾期のため、雨はほとんど降りません。1週間の間で2度だけ小雨がふり、傘を使いました。毎日曇りまたは晴れです。気温は夜はやや冷えますが(6℃くらい?)、昼間はあったかくなります(15℃~20℃)。
服装は:
昼間は半そでTシャツの下にヒートテックを一枚という服装で過ごしていました。夜はセーターに着替えて眠りました。汗はさほどかかないので、洗濯は靴下のみしました。
◆ネパールの物価に関して◆
ご参加時のレートは: 1ルピー=約1円
何か購入されたものがあれば参考までお知らせ下さい:
ミネラルウォーター1L 25ルピー、 ブドウ1kgあたり160ルピー、 サンダル 300ルピー
小さい紙パックジュース 30ルピー
お小遣いとしてどのくらい用意され、実際に使いましたか?
6000円分用意し、6000円弱使いました。
◆予防接種に関して◆
渡航にあたり予防接種を受けましたか: いいえ
◆今回のご参加を通じて、最も印象に残っていることや今後の参加者へのアドバイスなど◆
個人的ですが、行く前に立てていた目標と、その振り返りをここに記します。
<目標>
1. ボランティアを通じて人のことを笑顔にすること
2. 何らかの気づきをもとに、今までの自分になかったものを得ること
<結果・振り返り>
1. ボランティア先で修理した家の持ち主、一緒に遊んだ子供たちからたくさんの笑顔を頂きました。
~震災復興作業~
活動1日目、このおばあちゃんの家の前の瓦礫を撤去しました。左は現地のボランティア学生です。
家主さん
一人暮らしのため、震災から今まで取り壊す作業が出来なかったそうです。作業が進み、にっこり。
2日目からは写真↑の中央の建物の取り壊しに参加しました。取り壊す作業は専門の現地の方が行い、私たちは瓦礫の撤去や、その中から再利用できそうなレンガを回収する作業を行いました。
ブンガマティの広場にて
この日は学校が休みのため、子供たちが広場にたくさんいました。
私を慕ってくれた女の子たちと。
日本のギャグ「アイーン」を教えたところ、とてもお気に召したようでした。
○ボランティアで印象に残っていること
オリエンテーションにて、ボランティアを行うにあたってのスローガンをチェイワンから言われました。それは「If only you, what will happen? If only me, what will happen? If we together, what will not happen?」=「あなただけ、私だけでは出来ることがわずかだけれど、力を合わせればできないことはないよね」という言葉です。
ボランティアには、私たち日本人学生だけでなく、現地の学生も参加し同じ作業を行いました。その中でまさにこの言葉を実感する瞬間がありました。
それは、子供たちと遊ぶ時です。日本の遊びを子供たちに一生懸命英語で伝えましたが、うまく伝わりきらない部分がありました。その時、現地のボランティアの学生が半ば通訳のような役割を果たしてくれ、子供たち全員に理解を行き届けることが出来ました。彼らの存在がどれほど力強かったことでしょう。私たちの活動に対し子供たちは大盛り上がりで、ボランティアは大成功だったと思います。そしてその成功は彼らの協力があったからこそ実現できたものです。
現地のボランティアと日本人ボランティア
それぞれの人が持つ力を発揮し、協力しあうことの素晴らしさを感じました。
2.気づき、考えたこと
ネパールに到着して1,2日目は、日本に比べて悪いことが多く目につきました。水道、電気、空気の汚さ、クラクションの多さなど…日本は非常に恵まれた国です。なんでも自由に手に入るし、公衆衛生も良好な状態にあります。日本での環境に慣れている私はそう感じてしまう部分がありました。
しかし、滞在日数が経つにつれて、ネパールの素敵な部分が見えてきたのです。それは人と人との交流の深さです。
私はボランティア活動が終わったあと、日が暮れるまでパタンダルバールスクエアに座り、道行く人の表情、集う人たちの様子を見続けていました。彼らは人と話をし、とても楽しそうな表情をしていました。
ダルバールスクエアに座り、団らんする人々。私はこの風景がたまらなく好きでした。
また、ホームステイ先では家族が同じ布団で寄り添って停電の時間を過ごしていること、私のことを家族として受け入れてくれたこと、息子さんがお父さんのことを「best father」と言っていたことなど、家族の温かみを感じました。ネパールでは日本ほど情報文化や教育が発達していない分、忙しくなく、人と人との会話や関係性により重きが置かれているように感じました。
ネパールは全体的にのんびりとしており、幸せそうな国でした。自分の日本での忙しい、刺激のある日々と比べてみた時、私にとってはどっちが幸せなのだろうか?と自分に問いかけると、私は日本の生活が自分にはあっていると感じました。忙しくても、自分にないものをたくさん見て、聴いて、成長することが楽しい、その環境は日本の方が整っているからです。しかし人の温かさという意味ではネパールの方が素晴らしいと感じました。
日本も素敵な部分がそれぞれあります。今回の滞在を通して、自分はどのように未来を過ごしていきたいのか、を再確認できたと考えています。
最後に、今回のネパール震災復興支援ボランティアでお世話になったホストファミリーの皆様、コーディネーターのチェイワンさん、ロビンさん、共に参加した日本人、ネパール人ボランティア、CECの皆様、費用を出して下さった家族、その他関わって下さった多くの方に心から御礼申し上げます。
性別: 女性 ご年齢: 20代