海外ボランティア活動・CECジャパンネットワーク

参加者レポート

【日本語ボランティア】自分なりに満足いくまで全力で取り組みました

◆参加期間◆ 2018年8月5日 ~ 9月8日 5週間  N・M様 20代学生 
◆参加プログラム名◆ オーストラリア日本語ボランティア
◆参加動機◆ 大学で教育学を専攻していて、特に海外の教育事情に興味があったから
◆派遣先学校◆ NAMADGI SCHOOL

【印象に残った事、感動した事】
印象に残ったことは、休日のキャンベラでの生活です。
ホームステイ先の方に恵まれて、キャンベラにあるすべての観光スポットを一緒に回ってもらいました。博物館・美術館・植物園・国会議事堂・さらにはカンガルーや綺麗な夜景まで見ることができてとても感動しました。日本では絶対に見ることのできない広大な草原、動物たち。現代的でおしゃれなお店やフレンドリーな店員さん。とても大きなハンバーガーやおいしいコーヒーを放課後に食べたり飲んだりしたこと。
このような新鮮な経験のおかげで、オーストラリアでの慣れない不安な生活も、一気に楽しくなり、学校での活動も頑張ろうと思えた一番の心の支えでもありました。

派遣先の学校


【大変だったこと】
大変だったことは、現地の先生と一緒に授業内容を考えることでした。
オーストラリアが公表している、日本でいう学習指導要領のようなものをもとに、これから行う授業が基準に満たしているかどうか。教える方法をどのようにするかなどを話し合いました。「どのような授業をすれば生徒が関心を持ってくれるか」を常に意識して試行錯誤を繰り返し教材を作ることは、今回の活動の中で1番大変でしたが、その分やりがいがありました。

【楽しかった事】
楽しかったことはやはり、なんといっても生徒とのコミュニケーションです。
出国する前までは「英語でコミュニケーションなんてとれるのだろうか」「生徒は自分に興味をもって話しかけてくれるだろうか」とかなり不安でした。しかし、予想に反して生徒は自分に話しかけてくれて、趣味や日本の文化・言葉について積極的に質問に来てくれたり、昼休みにはグラウンドでサッカーやバスケに誘ってくれました。活動最終日には、授業後に「もう日本にかえるの?」とか、「もうキャンベラには戻ってこないの?」と言われて、今までの自分の不安な気持ちはどこにいったんだろうと思ったほどです。

【持ち物に関して】
持っていってよかったものは、日本の文化について書かれた本です。
自国の文化でさえ、海外の人の素朴な疑問には答えづらいことがありました。 自分は日本語と英語の両方で書かれたものを持っていたので、すぐに生徒に教えることができたのがよかったと思います。また、教育事情や英語の勉強を目的としている人は、ノートなどをもっていって、現地で得た知識をまとめておくと貴重な経験を無駄にせずに済むかと思います。

持っていけばよかったものは、コミュニケーション用の英語の単語帳やフレーズ集です。現地での生活はほぼ英語になるので、円滑な情報収集や発信などには必要だったかなと思いました。 

ちなみに、現地での活動で教材を作るためのコンピュータは向こうで貸してもらえます。授業などで自分の家族や住宅の説明などをパワーポイントを使って行うこともあったので、日本や自分のこと(家族や親せき、和室や浴槽の写真)についての写真を、データベースでスマホに保存しておくと、授業準備が捗ると思います。 

パワーポイントで自分の家を紹介

 

【現地での服装について: 普段の服装や、活動先での服装のアドバイス等】
当初、キャンベラは真冬なので寒いと聞いていました。確かに寒い日もありましたが、日本に比べて気候が安定していないせいか、気温の変動が激しかったです。なので、寒いからと言って厚着ばかり持ち込むのではなく、上着で調節できるようにした方がいいと思います。
意外と学校やショッピングセンターは空調がしっかりしているので、暑いくらいでした。寝る時だけは非常に寒くなるので、パジャマは厚いものでよかった印象です。
また、オーストラリアは乾燥しているので、肌が荒れるのを防ぐために化粧水や寝る時のマスクなども喉を守るのに非常に役立ちました。さらに、直射日光が強いので日焼け止めクリームもあると便利です。

                                             
【現地の物価  食品・日用品・外食・観光の費用など】
現地での活動中、食費はおやつも含めてすべてホストファミリーの方が負担してくれました。
食費に使ったのは、一人で立ち寄ったハンバーガー屋さんだったり、自動販売機だけだったと思います。
現地の物価は日本と比べれば若干高めです。特に食べ物屋さんはかなり高めなので気を付けてください。そのほか日用品としてシャンプーなども無くなれば買い足してくれました。

実際、現地でお金を使う機会は活動中はあまりなく、使うとすれば、自分のお土産代だけです。
活動を終えて1日、2日自分で観光する場合はすべて自己負担になると思いますが、5万円持って行った自分は十分足りました。むしろ多かったくらいです。

日本語の教室


                                              

【コミュニケーション手段(言葉の問題など)】
英語を聞き取ることはやはり難しいです。だけど、せっかく生徒が自分に話しかけてくれているのだから、何とかしないと、という気持ちが大きかったです。そのため、聞き取れなかったときは素直にお願いしてもう一度言ってもらったり、紙に書いてもらったりしました。
このようなことは、実際に自分よりも前に同じプログラムに参加した人の体験談をもとに実行しました。

自分の判断で行ってみたことは、生徒同士の会話にも耳を傾け、そこで使われていた単語やフレーズをノートにまとめ、自分も使ってみることです。日本で習う英語では到底カバーできない、スラングや会話表現が使われていたので、現地でのコミュニケーションにも役立ったし、日本での語学試験でも役立ったと感じています。
そのような「活きた英語」は、現地のテレビ、雑誌、お店の看板など、実際の日常生活にも見つけることができるので、積極的にノートにまとめていくことをお勧めします。

                                               
【ステイ先の情報・感想  ホームステイ先の家族構成、食事のことなど】
ホームステイ先の方は自分と一緒に授業をする日本語の先生で、夫婦二人暮らしの非常にやさしいファミリーでした。先述したようにいろいろな観光地に連れて行ってくれたりもしました。毎日寝る前は必ずコーヒーを飲みながら映画を見る生活がとても楽しかったです。 
食事は基本ファミリーの方が作ってくれますが、学校での残業が長引いたり、ファミリーが大変そうなときは自分も料理を作るのを手伝いました。また、アレルギーや嫌いな食べ物にも気を使ってくれるので、アレルギー持ちの自分はとても安心できました。
週末は近くのレストランに行ったり、親せきや友達を招いてパーティーをすることもありました。

【派遣先の学校と活動内容】
アシスタントとしての仕事は、多岐にわたります。
生徒が解いた問題の添削や、生徒の質問に答えることはもちろんのこと、授業前には先生と「日本語をどのように教えるか」「教える日本語はこれで合っているか、自然な日本語かどうか」など、教材づくりにも積極的に携わらせてもらいました。
また、自分で授業をする時間も与えてくださり、覚えにくい日本語をカルタにしてゲーム感覚で授業をしたり、パワーポイントを使って日本の文化を紹介したりなど、アシスタントの枠を超えた活動も多くやらせてもらいました。
授業に関してはとにかく準備の段階をしっかりして、生徒がしてくるかもしれない質問に答える準備、分かりにくい日本文化を自分自身も改めて学び直すことを徹底するようにすることは、少し大変でしたが楽しかったです。
また、休み時間にはサッカーやバスケットボールをするなど、授業外にも生徒と積極的に関わることが多かったです。

カルタ用の教材作り


先生と授業の進め方を話し合い

【事前準備に関して:日本で準備していったこと・持っていったものなど】
教材などは向こうでつくるので、日本で作った教材などはありません。
持っていくといいものは、先述したように、授業で使えるようなデータベースにした自分の家族や家の写真、日本文化を紹介している本などは必須なのではないかと思いました。
また、英語でコミュニケーションをとるので英語の勉強もした方がいいと思います。具体的には、リスニングをどうにかしようとか、こなれた英語表現を覚えるのではなく、自分自身のプロフィールや日本の文化を英語で説明できるようにした方がいいと思います。現地に行って積極的に生徒と話せば、自然とリスニングは向上するので、あまり心配しなくていいと感じました。最低限教えたいことを英語で伝えられるようにしておくのが準備段階で必要なことと思いました。    

【今後参加される方へのアドバイス】
一人で海外に行くことは、とても不安でハードルが高いと思っていました。だけど、いざ現地へ行ったらそんな不安が一気に吹き飛ぶくらい皆やさしくて気軽に話しかけてくれます。あとは自分がどれだけ子供たちに日本のことを知ってもらいたいか。そして自分から話す勇気をもって活動に取り組めるかで活動の有意義さはずいぶん変わってきます。
私たちも、常にびくびくしていて無口な先生から英語を教えてもらいたいとは思わないはずです。

英語の勉強、授業の準備、慣れない環境での生活、もちろん大変なことが自分の想像よりもはるかに多いと思います。自分がそうでした。だけど、このボランティアを自分なりに満足のいくまで全力で取り組んだこと、これによって今までの自分よりもはるかに決断力・責任感・そしてなにより自信がつきました。初めてのことに不安になるのはみんな同じです。だから、一度このプログラムで海外ボランティアに参加すると決めたら、不安な気持ちは意識せず、準備などをしっかりしてぜひ貴重な経験を楽しんできてください。