海外ボランティア活動・CECジャパンネットワーク

参加者レポート

セブ地域開発活動と日本語学校訪問 2019年9月 2

■参加しようと思ったきっかけは?
友人から今回の活動に誘われる形で、CECプログラムについて知りました。海外ボランティアは未経験でしたが、経験者の友人がいる安心感から、ほぼ即答で参加を決めました。

孤児院やフィーデイングセンターなどの活動に加え、以前携わっていた日本語教師の経験ができる現場もあるとのことで、今後に活かせるのではという期待もありました。

■ボランティアの活動内容と、その活動時間等
1週間(活動は実質4日間)で延べ8か所を、1日2か所ずつ午前・午後に分けて訪問するスケジュール。
1か所あたり1.5時間~3時間ほどの活動。

①マザーテレサの孤児院:持参した風船や縄跳びなどで遊ぶ、食事介助。
②山村集落:10代の学生達による集落案内、その後暮らしについてのインタビュー。子供たちに風船、しゃぼん玉の配布、同行の友人による紙芝居、など。
③墓地スラム:集落内散策、家庭訪問、ダンス、食事提供準備と配布。風船としゃぼん玉配布。
④日本語学校
1日目:文化交流。主に日本語を使って質問し合う。しりとりゲーム。
2日目:敬語(尊敬語、謙譲語)の授業。導入部分を担当。「敬語とは・日本人にとっての敬語の概念」「使う状況・対象」「尊敬語と謙譲語の違い」などを説明。動詞グループ別の敬語の作り方とフラッシュカードでの練習を現地教師に依頼し、言葉ごとに例文を紹介。ひらがな並べ替えクイズ、古今東西ゲーム。伝言ゲーム。
3日目:日本での電車の乗り方、注意点についての授業。文章作成ゲーム・生徒A→○○は 生徒B→〇〇を 生徒C→〇〇ます。のように、決められた助詞を使って一つの文章をつくる。
⑤マザーテレサのフィーディングセンター:子供達と交流後、主に昼食作り、デザート作り、食器洗いを担当。
⑥ストリートチルドレン・ストリート高齢者へのフィーディングセンター:高齢者へモーニングコーヒー提供、昼食作り、子供、高齢者への昼食配膳、食器洗い。

■参加期間中の面白い発見、感動したエピソード
※幼児の食事介助では、食べる順番にこだわりがあったり、上手に食べられない子など個性がみられました。孤児院のシスターがとても陽気な方で、大胆かつ強引に手際良く食べさせていく様子を見て、思わず笑ってしまいました。自分の中の「シスター」のイメージが変わりました。

※フィーディングセンターでは、中庭で食事を待つ高齢者の方々が、ペットボトルキャップでチェスのような遊びをしたり、おしゃべりを楽しんだりなど思い思いに静かに過ごしていて、本当に路上生活をしている方々なのかと思うほど穏やかでした。
コーヒーを配る私にも優しく接して下さり、思わず涙が出そうになりましたが、昼食の配膳が始まると雰囲気は一変、我先にとテーブルにつき「おかずが2つ足りない!」「ご飯もらってないよ!」など元気に指示を下さり、そんな姿に逞しさを感じました。

※日本語学校では、先生も生徒達も陽気で、時には冗談を言ったりしながら、楽しそうに過ごしてくれました。特にゲームは盛り上がっていました。

※生徒達を見て感心したのは、誰かが答えられずに困っていると、わかる人が手助けする、ゲームで負けてダンスをすることになった生徒と一緒に、友達も踊ってあげていたこと。ゲームに勝ったチームの人が、景品のお菓子を負けたチームにもシェア、次の回では相手が勝てるよう答えを教える、など、当たり前のように協力し合っていたことです。自己中心的でない、協力、助け合いの精神を強く感じました。

※全体を通して、子供達の中には必ずリーダー格の子がいて、周りの子供の世話をしたり、やんちゃすぎる子供を注意したり、手助けが必要な子供がいると、こちらに教えてくれたり、とても頼もしく、活動の際に助けられました。

※訪問先への移動。
山村へ向かう時に、生まれて初めてバイクタクシーを利用しました。タクシーと言っても要するにバイクの2人乗りで、
転ぶのではないかとハラハラ…現地スタッフは慣れた様子で乗っていました。

■今回の参加で感じた現地(人々等)の良い点
※陽気な人が多く、基本は笑顔で接してくれます。英語が通じますが、敢えて現地語で簡単な言葉を話してみると、とても喜んでくれました。

※接客業からホテルの清掃の方まで、同僚と楽しく会話をしたり、仕事中に鼻歌を歌っていて(しかも上手)こちらまで楽しくなりました。日本社会にはない光景で、羨ましくもありました。

■今後参加される方へのアドバイス
※全体
虫よけ対策:屋外では薄手パーカーなど長袖着用をすすめます。刺されやすい方は、現地のスーパーなどで「オフローション」という強力な虫よけクリームを初日に購入するのがおすすめです。フィリピンの蚊によく効く気がします。

サプリ関係:外食は肉や脂っこいものが多く野菜不足になるので、体調管理のためビタミン類のサプリメントや粉末青汁などを持っていくと良いです。

マスク:外を歩く際に大気汚染で喉を痛めるので、マスクは必需品です。これまで見たことのないキラキラ光る埃が舞っていました。

グラブタクシーアプリ:現地で重宝し、とても便利かつ安全にタクシー移動ができました。

※日本語学校
教材:私達が行った日本語学校では「みんなの日本語」を使用していました。

学習者:初心者から日本語検定受験予定者まで、レベルがバラバラな10名前後。普段はクラスが分かれているとの事。

教授法:セブは英語が通じるため間接法がおすすめですが、現地の教師の方が日本語堪能であれば、日本語でも通訳してもらえます。

準備:突然、二日後に授業をしてくださいと言われたので、授業を行う前提で心の準備をしていった方が良いと思います。
私はブランクがあるので準備に手間取り、オフの日曜日にアイランドツアーから帰った後、夜中まで翌日の準備をしました。

用具:フラッシュカードが必要になったので、折り紙の裏面を利用し、即席で作成。紙とサインペンは準備した方がいいと思います。

日本のお菓子:「あげます」「もらいます(ました)」の練習を兼ねて配りました。「いただきます」もきちんと言っていました。個包装の日本らしいもの(抹茶味など)がおすすめです。

日本の情報:生徒はスマートフォンを活用していて、乗換案内の英語版サイトや、日本語検定の練習用サイトのURLを教えると喜んでいました。
セブ島には電車がないので、電車関連の情報にとても興味があるようでした。
日本らしい写真がついたカレンダーなどがあれば、文化を紹介したり、日付を言う練習をするのに良いのでは、と後から思いました。

寄付:100円ショップで買った、乗り物や動物のイラストブック(日本語&英語付)、おもちゃの時計(時刻の練習用)を寄付しました。

■その他、お気づきの点
出発前から色々と丁寧にご対応いただいた担当の西村様、現地担当の皆様には大変お世話になりました。

スタッフの方々がきめ細かくアレンジして下さり、また友人の協力もあって、念願だった日本語学校でのボランティア経験もできました。

フィリピンでは就職や転職が困難だと聞いていましたが、母国語が話せるだけでは就職もままならず、英語を話すことが社会に出る必須条件なのだと知りました。
そのような実情にもかかわらず、教育機会が平等に与えられず、衣食住など最低限の生活すら保障されない人々がいるという社会システム…自分には何もできないと、ある種の無力感を覚えたことも事実です。
それでも国内や世界中から多くの人が、諦めずに支援を続けていることは、尊くまた希望でもあります。

このような活動の必要がない世の中になるのが理想ですが、まずは一歩ずつ、微力ながらできることをして行きたいと思います。

本当に貴重な経験ができました。
ありがとうございました。

40代 女性