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ストリートチルドレンの自覚と夢
セブに行くたびにNPOでサポートしているストリートチルドレンの様子を見に行きます。教会の周りにはたくさんのストリートファミリーが物売りや物乞いをしている光景をみかけます。
小さな子どもはひたすら他の子供達と一緒に遊ぶことが仕事です。10歳ぐらいになると、しっかりした子供は親から信頼され、お土産を売りはじめます。親も良くわかっていて、ちゃんと物売りができる子でないと大事な商品をもたせません。
新しくお土産を売りはじめた子供の顔が急にしっかりしはじめます。他人と接する、ものを売る、お金を受け取ることなどで自然と自覚がでてくるのでしょうね。児童労働を教育的な観点で見ることはできませんが、ストリートチルドレンとしての現実の生活事情をすぐに変えることができない状況のなかでは、できるだけ早い年齢で自覚を持つことが望ましいと思います。
自覚を持つことでストリートで生活することを自問します。他の子供達との違いを認識します。その理由が貧困であることに気づき、どうしたら貧困から抜け出し、他の子供達と同じような暮らしができるのかを考え始めます。
シーラという女の子は5人兄弟の上から2番めのストリートチルドレンでした。下の子供達を面倒みるために、姉と同様にしばらく学校に行けない時期もありました。
でも、自覚できた彼女は貧困の解決として必死に勉強することにしました。高校を卒業すること、そしてさらにその上を目指すことを目標にして頑張りました。
物売りをしながら学校を続けるのは大変だけど、その先に未来を見ることができると考えました。現在彼女は無事に高校を卒業し、セブ市からの奨学金制度を受け、学費無償で大学に進学しています。時間があるときはNPOの教育支援のお手伝いもやっています。