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ストリートチルドレンの問題

ストリートチルドレンの抱える問題|海外のボランティアの現場から

フィリピンのセブ島で海外ボランティアとしてのNGO活動を続けています。2008年にストリートチルドレンをサポートするボランティア団体を設立しました。その団体が支援しているストリーチチルドレンの数は現在までに合計およそ150名になります。

私達がサポートする目的はストリートチルドレンや、その家族が自立し、子供が物売り(児童労働)をしなくても生活していけるような環境になるためのサポートです。そのための方法として教育支援をしています。

多くの子供達が貧困によるトラブルや悩みを抱えています。

ストリートチルドレンの直面する問題とはどんなものでしょうか。

生活面での問題

1 子供の数が多い
貧困層の家族でも子供の数は多い家族が多いです。私も5人、7人、9人などの兄弟を持つ子どもたちを見てきました。
10代の半ばで最初の子供ができる、宗教的な理由や無計画な家族計画が理由です。小さな子どもが多いと親がひとりひとりの面倒をみることができなくなります。一番上の子供が「小さな母親」となり赤ちゃんを抱えている姿を良くみます。その「小さな母親」は学校に行くことができません。

2 食事の問題
ストリートファミリーが住んでいる場所は市内のスラムや遠く離れた山村集落です。中には貴重品を保管しておける小さな部屋を借り、屋外で寝泊まりする家族もいます。そのような場所では子どもたちにまともな食事を作ることができません。キッチンと呼べる場所も無いです。以前は1KGあたり30ペソ代で買えた米も、いまは50ペソほどします。子供が多い家族は1日2キロの米を消費します。他にまともなおかずになるようなものを買えないので米に醤油や塩だけかけて食べています。他にも粗悪なインスタントラーメン、日干しの小魚などを食べて暮らしています。
当然栄養のバランスが悪くなります。

3 健康面の問題
スラムで生まれ育ってきたストリートチルドレンは日本人に比べるととても免疫力は高いと思います。それでも食べるものや生活環境から健康を害する子供もいます。まだ小さいのに糖尿病をもつ、衛生環境がわるく腸チフスやデング熱に罹る子もでました。
また、スラムの子どもたちは虫歯がひどい子が多いです。セブでは毎年横浜の歯科医師団が海外ボランティア活動の一環でセブに来て無料の歯科検診と治療を行ってくれています。そのクリニックの現場でみたストリートチャイルドはまだ12歳なのに、上も下の歯も総入れ歯をしていました。

4 治安
ストリートで暮らす子どもたちにとっては危険がつきものです。麻薬を扱う悪いグループから麻薬の配達を強いられる。わずかな小遣いがはいるのでその役を引き受ける子供もいますが、警察に捕まり少年院に送られます。また、路上で寝ていると悪い人たちからいじめを受けたり、レイプの危険にあったりすることもあります。

5 精神面
路上での生活が続くと、自分の将来の展望を失います。自尊心を無くし、自信が失せ前向きな未来を見ることができなくなります。負のスパイラルに陥り、いつまでも路上での生活が続きます。そしてその子どもたちも同じ運命になることがあるのです。

学校での問題

1 学校に行きたいけど行けない。
多くの子供達は学校に行って友達と一緒に学びたい気持ちがあります。でも、親がそれを許さずに物売りを続けることを強制する場合があります。その親もストリードチルドレンとして物売りをしてきたので、学校の大切さを理解していないのです。

2 学校に行ってもついていけない。
毎日学校に行っている生徒と、週に数日しか通わない子供では自然に習熟度に差が付きます。試験の点数が悪い、そうなると小学校でも落第し、同じ学年を続けなければいけません。それが恥ずかしのです。

3 お腹が空いて勉強に集中できない。
学校に行っても給食はありません。他の生徒はお弁当をもってきていますが、ストリートの子供は作ってもらえません。水を飲んで我慢しますが、それも長くは続きません。

4 他の生徒からいじめを受ける。
汚く汚れた服(制服)を来て学校に行くと、他の生徒からいじめられます。それがいやで学校に行かなくなる子供もいます。

日本の場合小学校は6歳にはじまり、中学校は12歳にいくというのが常識ですが、フィリピンでは14歳の子供が小学校4年生のクラスにいることもあります。もっと大きくなってしまうとさすがに学校には行きづらくなります。そのためにフィリピンではALS(Alternative Learning System)と呼ばれるシステムがあり、大きくなっても基礎の勉強を学ぶことができ、小学校や高校卒業資格をとることができます。

セブでストリートチルドレンの問題に取り組む

CECは2005年からセブで貧困問題に取り組むボランティア活動を続けています。ストリートチルドレンに目を向けだしたのは2008年に有志のみなさんと一緒にNPO法人を立ち上げたときからです。孤児院や保護施設の子どもたちよりも、遥かにひどい環境に生きていること子どもたちがいる、それがストリート(スラム)に住む子どもたちでした。

ストリートチルドレンの問題を解決するための方法は簡単なことではありませんが、自分たちに何ができるかを知るためにその場に行くことも必要だと考えます。

CECセブ地域開発活動ボランティアプログラム