参加者レポート
ネパール 復興支援プログラム
参加期間 2018年 3月 13日 ~ 2018年 3月 21日まで ( 1週間)
参加の動機
私の知人がネパールに行ったことがあり、以前からネパールに興味がありました。また私は日本で様々なボランティアに参加させて頂いたことがあり、いつか海外ボランティアも経験したいと考えていました。ネパールは2015年の地震で大きな被害を受けたと聞き、日本で何度も地震を経験した自分に何か手伝えることはないかと思い、今回参加させて頂くことにしました。
ホームステイ滞在に関して
<家族構成>
お父さん お母さん 子供( 2)人
その他(ホストブラザーは中学生で、ホストシスターは大学生ですがアメリカに留学中
です。ホストマザーのお父さんが一緒に暮らしています。)
<ペット>
無
<食事>
非常に非常においしかった
<生活形態について(日本での生活と較べて異なる点、注意点など)>
日本と大きく異なるのは水事情だと思います。すでにご存知の方も多いと思いますが、ネパールでは水は大変貴重です。シャワーは3日に1回で、限界まで節水しながら浴びました。トイレは小は水を汲んで流し、大の時だけレバーで流すという感じでした。もちろんティッシュは流せません。水道水は飲めず、料理に使う水や飲み水、皿洗いの水は買います。しかしホストファザーの話によると、ネパールでは現在大きなダムを工事中で、そのダムが完成すれば(どの程度かは分かりませんが)水事情も変わるとのことです。
食事は日本と大きくは変わりません。しかし、日本のように3食きちんと食べるのではなく、朝夕はしっかりと食べ、お昼はその時次第という感じでした。13時ごろに軽く食べ、また16時ごろに軽く食べというときもあれば、15時ごろにしっかりと食べるときもありました。軽食程度ですませるときもあります。
また、インターネット事情は近年大きく変わっているようです。わたしのホームステイにはwifiがありました。ショッピングセンターにはフリーwifiがありました。スマートフォンもかなり普及していて、田舎の町に行っても皆さんスマートフォンを使っていました。
<感想>
ホームステイで不便を感じることはほとんどありませんでした。唯一あげれば水事情です。私は地震の復興作業が主な活動で、ボランティアの日はかなり汗をかき、砂埃で汚れました。しかし日本と違って毎日シャワーを浴びれるわけではなかったので、少し辛かったです。日本から持っていった水なしシャンプーや汗拭きシートを何度も使いました。
今回私がお世話になったファミリーは以前に何度も日本人を受け入れてくださった経験があり、日本の生活との違いもご存知でした。特に食事にはとても気をつかっていただきました。1日目はスパイスをとても控えめにし、2日目、3日目と徐々にスパイスを増やし少しずつネパールの食事に体が慣れるようにと調節していただいたり、お夕ご飯にスパイスの効いた料理を作る予定の時は朝ごはんはシンプルなものにし、お腹に無理がないようにしていただいたり、本当に細やかに気をつかってくださいました。ネパールを十分に満喫できるようにと、滞在中は極力多くの種類のネパール料理を作っていただきました。同じものを食べた記憶が数回しかない気がします。ネパールの方は食べる時右手を使って素手で食べますが、私にはスプーンやフォークを出してくださいました。わたしも手で食べようと挑戦しましたが、なかなか難しかったです。ちなみに、朝ごはんは7時、お夕ご飯は8時半ごろでした。
ファミリーはみなさんフレンドリーで、優しい方々でした。初めてのネパールで不安でしたが、大変暖かく迎え入れてくださり、「あなたは家族の一員だよ」と言っていただき、本当に嬉しかったです。みなさん英語で日常会話をできたので、コミュニケーションをとるのに問題はあまりありませんでした。ホストファザーは現地コーディネーターのチェイワンさんの旅行会社でお勤めで、ネパールのあらゆることに詳しく、大変博識で、日本語も少しだけご存知です。滞在期間中はずっと私や他の日本人の方の引率をしてくださいました。お夕飯の後はいつもネパールのお話聞き、ネパール語も教えていただきました。ホストマザーは本当に温かく、ユーモア溢れる方でした。生活のあらゆるところに気を配っていただき、本当に感謝でいっぱいです。ネパールの民族衣装であるサリーも着させていただきました。私が持って言った浴衣をホストマザーが着て、家族みんなで笑ったのがとても心に残っています。ホストブラザーはとてもフレンドリーで、明るい子でした。私が行った時期はちょうどテスト期間で、あまり一緒にいる時間は取れませんでしたが、それでも忙しい中時間を割いて私と話してくれました。サッカーが好きで、日本のアニメや漫画も好きだそうです。時々ギターも弾いてくれました。ホストシスターはちょうど私と同い年の大学生ですが、アメリカに留学していたため直接会うことはできませんでした。何度かビデオ通話でお話ししました。エンジニアの勉強をしているそうで、携帯も簡単に修理してくれるそうです。ホストマザーのお父さんは一緒に暮らしていますが、足が不自由なためほとんどの時間をベッドで過ごされていました。時々体調が良いときに少しお話をしました。ホストマザーに似て、とても素敵な笑顔の方でした。
ボランティア活動に関して
<どんな活動をされましたか>
ブンガマティ(Bungamati)という小さな村で、地震で倒壊したお宅の片付けを手伝わせていただきました。
<活動内容と感想(活動期間、回数、時間等も併せてご記入下さい)>
3月15日〜17日の3日間活動しました。朝10:00ごろにオフィスに集合し、私のホストファザーでもあるロビンさんが引率で連れて行ってくださいました。ブンガマティまではバスで30分程度で着きました。
現地では私たち日本人のボランティア3人とロビンさんに加えて、被害にあったお宅のご夫婦も手伝ってくださいました。このご家族は今でも仮設の家で生活されています。私たちは主に崩れたレンガなどのがれきを三輪車に乗せて運ぶ作業をしました。日本のように道路が舗装されておらず、三輪車を押したまま坂をのぶるところもあり、みんなでバケツリレーのように作業を分担したものの、かなりきつい作業でした。朝夕は涼しいのですが日中は気温が上がり日差しも強く、汗だくになりました。基本的には、作業→休憩→作業→お昼→作業→終了(軽食)という流れでした。お昼はこのお宅のご家族が毎日ネパールのご飯を作ってくださいました。とても美味しかったです。作業が終わった後も毎日軽食を作ってくださいました。暑い中毎日作業を手伝ってくださり、本当にありがたかったです。
今回この活動に参加させていただく前に、「地震から時間が経っていて、作業する場所はあまりないかもしれません」とご連絡いただいていたのですが、私が行った村では倒壊してあまり片付けが進んでいない家がまだ多くありました。今回私たちが活動させていただいたお宅も3日間では終わりませんでした。バスで村に向かう途中でも、地震で倒壊した家を数多く見ました。お話を聞いたところ、田舎の方ではまだまだ支援が行き届いておらず復興は進んでいないとのことです。さらに、ネパールの一般的な家はレンガでできています。道路も細く、重機が入るスペースはありません。日中男性が仕事で家を離れてしまうと重いレンガを女性や子供、お年寄りで運ぶことになってしまい、これもなかなか片付けが進まない一因になっているそうです。そのようなご家庭のために、今後もボランティアが続いてくれることを心から願っています。
また私たちは、毎日作業が終わった後に村の子供たちと交流する時間を設けていただきました。1日目はどうやって話しかければいいんだろうか・・・何から始めればいいんだろうか・・・と戸惑ったのですが、ロビンさんがアドバイスをくださったりきっかけを作ってくださったり、徐々に子供達と遊ぶことができるようになりました。日本から持って行った風船や折り紙が人気でした。そのほかにもあやとりやけん玉など、日本の遊びを少しづつ伝えました。現地の子供たちはまだ保育園〜小学校低学年ぐらいの年齢でしたが、ほとんどの子が簡単な英語の会話がわかり、中にはしっかり英語で話せる子もいて本当に驚かされました。ある日、私は折り紙でTシャツを1つ作り子供たちに渡しました。これ何?これ何?ととても興味津津そうに見ていました。次の日行ったところ、まだ誰にも作り方を教えていないのに、折り紙のTシャツがいくつも作られていました。きっと私が作った1つのTシャツを見て、それを見本にみんなで頑張って作ったのだと思います。またある日、私は男の子にけん玉を見せました。けん玉は初めて見るそうで、みんな苦戦していました。私が持って行ったけん玉は右利き用でした。次の日、ある左利きの男の子がけん玉の紐を反対側に引っ掛けて、左利きでもやりやすいようになんとか工夫して挑戦していました。私は彼らの観察力、研究心、様々な力を感じ、とても感動させられました。子供達はとても賢く、行動力がありました。インターネットを通して知りたいことは何でも一瞬で調べられる社会の中で、私たちが忘れていた人間の力を感じさせられたような、そんな気がしました。
<ホームステイ先からボランティア活動先までの交通手段は>
上記のように朝オフィスに集合した後、公共バスでブンガマティまで向かいました。運賃は15ルピーでした。これは乗る区間にかかわらず、一律のようです。道路はあちらこちら工事中で、かなり揺れました。さらに朝の通勤通学ラッシュの時間帯だったので、バスの中ですし詰めになりました。バス酔いをする方は、酔い止めを持っていかれることをお勧めします!
持ち物に関して
<日本より用意し、役に立ったものは>
・ティッシュ ティッシュかなり大事です!!!まず、基本的にトイレにはティッシュがありません。急に必要になった時に様々なところで便利なので、ポケットティッシュは常にポケットに入れておいたほうがいいと思います。
・水なしシャンプー、汗拭きシート ネパールでは毎日シャワーを浴びれません。それでも日中外にいると汗をかくので、水なしシャンプーはオススメです。汗拭きシートもよく使いました。
・のど飴、マスク
ネパールの大気汚染はかなり深刻です。私も想像以上で驚きました。空気はかなり悪く、道もあまり舗装されていないので砂埃が凄まじいです。現地の人でもマスクをして生活しています。今回私は1週間しか滞在できなかったので、できるだけネパールをじかに感じたいと思い、マスクをつけづに生活し続けました。喉がイガイガしてきてのど飴をよく舐めてました。
・帽子、サングラス、日焼け止め
ネパールは日中の日差しがかなり強いです。日焼け対策は大切だと感じました。しかし、日陰に入ると驚くほど涼しいのがネパールの特徴です!
・指さし会話帳
私は海外に行くときによく持って行くのですが、指さし会話帳はとても便利です。ホストファミリーも興味津々そうに見ていました。会話のきっかけになるので、重宝しています。また、ネパールの文化や生活などあらかじめ知っておいたほうがいいことものっているので早めに買って読んでおくことをお勧めします。宗教関係では私たち日本人とはかなり異なる文化を持ってるので、知っておかないと相手に悪い思いをさせてしまう可能性があります。相手の国の宗教についてはマナーとして少し知っておくべきだと思います。
<その他、便利だと思うものは>
・洗濯はあまりできないので、タオルと下着は大量に持って行ったほうがいいと思います。今回私は1週間だけだったので洗濯はしませんでした。
バクタプル観光に関して
<感想>
バクタプルは昔の町並みや寺院が残る、歴史的な街でした。ここもロビンさんが引率で連れて行ってくださいました。地震の影響で多くの建物が倒壊してしまったそうですが、それでも一部残ったものや再建したもののおかげで、昔の街の雰囲気を感じることができました。おやつにズーズーダウというヨーグルトを食べました。ズズーダウとは、king of yogurt という意味だそうです。名前の通り、とても美味しかったです。ここは観光地として人気だそうで、お土産物屋さんもたくさんありました。バクタプルの方はみなさんお商売が上手です!いいノリでどんどん勧めてきます。うまく交渉できれば安くしてもらうこともできますよ。(私は少し安くしてもらえました。おまけももらいました。)
ナガルコットからの朝日鑑賞に関して
<感想>
カトマンズやパタンといった賑やかなところとは一変して、とても静かなで美しいところでした。ロビンさんたちに送っていただき、5時前ごろにNiva Niwa Lodge というホテルに着きました。とてもいい雰囲気のところで、私たちが行った時は残念ながらヒマラヤは見えなかったのですが、素晴らしい景色が見えました。宿ではお夕飯と朝ごはんがあり、アジア系の旅行客が多いせいか、とても優しい味付けのご飯で美味しかったです。次の日は6時過ぎが日の出の予定だったので朝早めに起きました。朝の空気はとても澄んでいて気持ちよかったです。無事に日の出を拝むこともできました。朝ごはんの後に少し周りを散策し、ホームステイに戻りました。短い時間ではありましたが、素敵な時間を過ごし、疲れを癒すことができました。
カトマンズに関して
<お勧めの観光スポット、お店、レストラン等>
カトマンズは1日しか行かなかったのであまり詳しくありませんが、お昼に入ったお店が印象に残っています。この日もロビンさんに引率していただいたのですが、お昼に現地の人しかぜっていに入らない穴場のお店に連れて行っていただきました。ここで伝統的なネパールの軽食をいただいたのですが、これがとても美味しかったです。
地震の影響で多くの伝統的な建物が倒壊してしまい、現在は改修工事中でした。無事に再建できたらぜひまた見に行きたいです。
カトマンズ以外に訪れた街
パタンに行きました。
<交通手段、かかった時間、費用は>
歩ける範囲を散策しました。
<感想>
私のホストファミリーがパタンに住んでいて、オフィスもパタンにあったので、ここで過ごす時間が長かったです。パタンはカトマンズに次ぐ大きな町だそうで、ショッピングセンターやスーパーもありました。ショッピングセンターの中にヒマラヤジャワコーヒーというお店があります。「ここでコーヒーを飲むとなんだかいい感じがするんだ。」とホストファミリーに勧められ、一人で入ってみました。ネパールのスターバックスのようなものだそうです。露天や市場に比べるととても高いですが、コーヒーもケーキも美味しかったです。確かに、なんだかいい感じがしました。
パタンはとてもお店が多く、日用品から食べ物からお土産まで、なんでも買うことができました。うまく使いこなせればとても便利な街です。ただ、道が複雑で入り組んでいるのと私が方向音痴のせいで、よく道に迷いました。Googleマップにまずはじめにホームステイの場所を登録しておいてよかったです。
また、パタンだけでなく他の街でも同様ですが、道路を渡ると言うのはネパールでは至難の技です。横断歩道は一応ありますが、誰も止まりません。道路を渡るには、なんと言うか、ネパール式阿吽の呼吸のようなものを習得する必要があります。これは口で説明してわかるものではないので、現地に行って体験してください。まさに習うより慣れろです。さらに、狭い道でもオートバイがたくさん走っているので、ぼ〜っと歩いているとひかれます。道を曲がる時なども、気をつけて歩きましょう。
ご参加頂いた時期に関して
<気候、お天気はどうでしたか>
私は3月中旬に行ったのですが、全体的にはとても過ごしやすかったです。ネパールはもっと蒸し暑い所と想像していたのですが、全然違いました。朝晩は長袖でちょうどよく、日中動くときは半袖でちょうど良いぐらいでした。昼間でもあまり外に出ないときは長袖のままで大丈夫でした。部屋でエアコンや扇風機は全く使わなかったのですが、何も問題なく過ごせました。ただし外出する場合は、1日の中で気温の変化が激しいのでうまく調節できるようにパーカーを重ねるなどするといいと思います。雨の日は稀だそうです。私が行った期間は一晩だけ雨が降りました。なぜか次の日の朝停電しました。ホストファミリーは当たり前のように「雨降ったから停電したね〜」と行っていたのですが、なぜかいまだに分かりません・・・。
ネパールの物価に関して
<ご参加時のレートは>
1ルピー=約( 1)円
<何か購入されたものがあれば参考までお知らせ下さい>
(例:ミネラルウォーター1L 20ルピー(約30円)、切手 30ルピー(約45円)等)
ミネラルウォーター 20ルピー
紅茶 500g 200ルピー
スナック菓子 20ルピー
露天の揚げパン 20ルピー
マサラ 100g×7袋 600ルピー
クッキー 80ルピー
<お小遣いとしてどのくらい用意され、実際に使いましたか?>
日本円で1万円とアメリカドルを100ドル持って行きました。日本円は3千円、アメリアかドルは30ドルほど余りました。日常生活ではあまり使うことはなく、観光とお土産を買うのに使いました。
予防接種に関して
<渡航にあたり予防接種を受けましたか>
いいえ
<今回のご参加を通じて、最も印象に残っていることや今後の参加者へのアドバイスなど自由にお書きください。*ネパールで撮られた写真をお貼り頂く際は、説明のコメントもお願いします>
思ったこと、書きたいことは山のようにあって書ききれません。ただ一つ言えるのは、渡航前に想像していたより、ネパールの事が大好きになって帰ってきたという事です。ホストファミリーをはじめネパールで私がお会いした方々は皆さん優しく、心遣いが細やかな方ばかりで、皆様のおかげで素晴らしい時間を過ごす事ができました。本当に感謝でいっぱいです。最後は「絶対にまた来るから、絶対に帰ってくるから、約束するよ」と言って泣きながらホストファミリーとお別れしました。帰るのが本当に辛く、さみしかったです。またネパールのご飯はとても美味しく、毎日幸せでした。もし少しでもネパールに興味がある方がいらっしゃったら、ぜひ勇気を出して言ってみることをお勧めします!
ただ一つだけ、注意していただきたい事があります。それは道路脇などあまり綺麗ではないところのフレッシュフルーツは絶対に食べないという事です。わたしはネパールに滞在中、食事で困ったことは一度もなく、食中毒になることもありませんでした。最終日、いよいよこれでネパール最後だと思い、ずっと飲んでみたいと思っていた露天のフレッシュフルーツジュースを買ってみました。案の定、当たりました。帰国後数日間、家で苦しみました。ネパールの思い出がお腹の中でかなり頑張ってくれたおかげで、しばらく日本食を満喫できませんでした。なので、ホームステイのご飯が大丈夫だからといって露天で生モノは買わないでください。ホームステイのご飯は、ホストマザーがとても気をつかって作ってくださるものですが、露天のものは違います。フレッシュオレンジジュースを作ってくれたお兄さんのステキな笑顔と帰国後の長い苦しみが、今でも忘れられません。
お名前(イニシャル、ニックネーム可):雪乃
性別:女性 ご年齢: 20代