海外ボランティア活動・CECジャパンネットワーク

参加者レポート

バリ島聴覚障がい施設+ウブド特別支援学校 3月

インドネシア、バリ島聴覚障がい施設+ウブド特別支援学校プログラムの参加レポートです。

 

■参加されたプログラム
聴覚障がい児施設・ウブド特別支援学校

 

■参加期間
3/2-19

 

■ボランティア活動や地域体験について
・3/6-10
ギャニャールという地域にある、聴覚障害やその他の障害を持った子どもたちが通う学校、そして聴覚障害を持った子どもたちが寄宿舎として通っている孤児院を訪問しました。

 

午前は学校で子どもたちに日本語や日本の歌、簡単な振付を教えて一緒に勉強したり遊んだりしました。
私が通うことになったクラスには健常児の子もいれば、耳が聞こえて言葉の意味は理解できても、自分が言葉を発声することは困難な障害を持った子、席に座ることやみんなと一緒に同じ勉強をすることが難しかったり、苦手な音が聞こえるとパニックを起こしてしまう子(いわゆるADHDに近い)など、さまざまな子どもたちがいました。

子どもたちはとても私の存在に興味を持ってくれて、簡単な日本のあいさつや歌、振付を一生懸命覚えようとしてくれました。
中でも一番嬉しかったことは、先ほど紹介したADHDに近い子が、日本語にハマってくれて、それまで授業に集中できていなかったのにも関わらず、ひらがなやカタカナのお手本を見ながら何度も自ら紙に書き、書いた言葉を満面の笑みで何度も発音してくれたことです。
先生に尋ねるとその子は元々英語(外国語)を勉強することが好きなようで、同じように外国語として日本語にもハマってくれたようです。
日本語のあいさつも、クラスで一番元気に上手に披露してくれました。
夢中になっている姿がとても愛らしく、ここに来られて良かったなと感じられた瞬間でした。

 

午後は聴覚障害を持った子どもたちが過ごす孤児院で、彼らとコミュニケーションを図りました。
バリ島の手話と日本の手話、同じものもあれば違うものもあり、それをお互いに教え合って共有し、たくさんお互いのことを話しました。
言葉が目に見える分、まったく勉強不足だったインドネシア語よりも理解できたように思えます。(笑)
お互いの国の料理の話もたくさんしたので、孤児院のスタッフさんの助けを借りて一度お昼に親子丼を作りました。現地で調達した醤油の味が日本のものと少し違ったり、海苔などの材料が足りなかったりちゃんとした親子丼と言えたかは分かりませんが、みんな美味しいとジェスチャーしてくれて嬉しかったです。
何か特別な活動を他にしてはおらず、ただ一緒に座って静かに話す。それだけですが、毎日心温まる時間を過ごすことができました。
一人一人と濃く関わることができた分、別れは寂しく感じられました。

 

・3/13-17
次の一週間はウブドにある特別支援学校で、午前は障害を持った子どもたちの授業に参加し、午後は孤児院から来ている子どもたちや貧困を抱える子どもたちに英語を教えました。ここは欧米からの学生ボランティアさんがとても多く、彼らとの関わりも魅力の一つです。

私が現在、日本で障害福祉の分野で働いていることもあり、ここでの子どもたちに対する先生の教育や、世界各国からのボランティアさんの子どもたちへの関わり方は、刺激を受けることがたくさんありました。
障害児への教育については抽象的ですが、「これは日本ではあり得ないなぁー!?」と感じることもあれば、「あぁこうやって子どもの意思を尊重して、自立を促していくんだな」と感じることもあり、学ぶことが本当に様々でした。

ここの子どもたちはダウン症や自閉症、肢体不自由で車椅子に乗っている子、脳性麻痺(おそらく)など様々です。
先生たちもボランティアさんたちもみんな彼らに愛を持って接しており、子どもたちの個性が伸び伸びと発揮されているのがこの学校の素晴らしいところだと思います。
その中で短い期間に自分に何ができるのかを探すのは難しかったですが、一人一人の好きなことや得意なことを見つけ、それを活かせるようなマテリアルを作って次の日に持っていく、、それで笑顔になってもらえる日もあれば、いやー!と跳ね除けられてしまう日もあり(笑)、素直な子どもたちはとても可愛く面白く、関わっていると時間があっという間に過ぎてしまいました。
常にやりたくない子どもとやってほしい私とのせめぎ合いで、授業が終わる頃にはお互いバリの燦々とした太陽の下で汗だく、 子どもはしてやった顔。(笑)
やりがいがあり、とても楽しかったです。
できればもっと長い期間、子どもたちと関わり、彼らの一日一日の成長や変化が見たかったなと思います。

 

午後の英語の授業では、中国から来たボランティんと一緒に初級英語のクラス(子どもたちは7〜9才くらい)を教えました。
初めはみんなシャイでしたが、歌やダンス、お絵描きを通して段々打ち解け、彼らのの使える英語が増えていく様子が見られたことがとても嬉しかったです。
この経験に関しては、一緒に授業を作った中国人の子(ホームステイ先ではルームメイト)とたくさん話し合い、協力できたことがとても素敵な思い出になりました。
私たちは1週間を通して、子どもたちに「仕事」をトピックとして簡単な英会話を教えたのですが、貧困を抱えていたり、孤児院にいる子どもたちに、「みんなのお父さんとお母さんはどんなお仕事をしているの?」、「将来は何になりたい?」などのことを簡単に聞いていいのか、私たちは少し躊躇していました。
しかし、私たちはすぐにそれこそが先入観や偏見で、不必要な心配だったことに気付かされます。
子どもたちは「I want to be a teacher!」、「Policeman!」、「Manager!」「Singer!」と続々に将来の夢を教えてくれました。
子どもたちの夢は、いつだってきらきらしています。そんな子どもたちの夢はきっと叶えられるし、それをサポートするのが私たち大人の仕事であり、そして私も子どもたちに負けないように頑張らないと!と思わされた瞬間でした。

 

ルームメイトとは授業作りや部屋での語らいを通してすっかり意気投合し、週末は一緒にマーケットに行って買い物したりランチを食べたり、そんな友達を得られたことも宝物です。

 

以上2つの地域でのそれぞれの活動になりますが、どちらも日本では得難い貴重な経験となりました。もっとインドネシア語や英語、手話ができていたら、もっともっと色んなことができたのかなと思うとそこは悔やまれますが、悩みながらも毎日充実した日々を過ごすことができました。

この活動に参加するにあたってはとにかく失敗を恐れず、積極的に人に話しかけたり、質問したり、なんでもまずやってみる、という姿勢が大切だと思います。

 

■その他の感想
現地コーディネーターの方の助けのおかげで、自由時間も充実して過ごすことができました。
ただ注意点は、バリタイム。(笑)
ピックアップの時間が1時間くらい遅れても、少し話が噛み合わなくても、気にしないマインドが大切です。ちゃんとこちらのスケジュールは把握してくれているので、心配しすぎなくて大丈夫です。

 

Wi-Fiは、現地で借りた物が私の場合は十分に機能していましたが、そうでなかったボランティアさんもいたようです。
SIMカードは日本でAmazonで購入し、それを持って向こうで挿入したら難なく使えました。
バリで買った方が格段に安いですが、挿入してみたら使えなかったというボランティアさんの話を2人ほどから聞いています。

 

日本で”Grab”というアプリを登録しておくと、タクシーを呼ぶのに便利です。適正価格が表示されるのでぼられる心配がないのと、クレジットカードを登録しておけばおつりが返ってこない心配もなくなります。

 

アプリはもう一つ、”WhatsApp”のアカウントを日本で作っておくと様々な人との連絡手段として便利です。

 

持ち物で便利なのは、トイレットペーパー、水に流せるおしりふき(トイレでも、手指の除菌にも、汗拭きにも使えます)、使い捨てのビニール手袋(不衛生なものを直接手で触りたくない時)が自分の身の回りの物としてはあると便利です。

 

また学校には、文房具が必要な時に意外と教室になかったりするため、はさみ、のり、テープ、カラーペンなどはあると便利です。

 

“日本の物”として持っていくと良いと思うのは、折り紙、割り箸、浴衣などはみんなの興味を集めると思います。

 

それから、湯沸かしタンブラー?のようなものをルームメイトが持っていて、それはいいなと思いました!洗濯など手洗いなので、お湯で滅菌したい時に便利かなと。電圧には注意です。折り畳みの洗濯カゴのような物もあると良いと思います。

 

■滞在先やその周辺について
ギャニャールではビジネスホテルでの滞在でしたが、私は快適に過ごせました。シャワーのお湯は出ませんが、外が暑かったのであまり気にならなかったです。洗濯物をかけるところが少ないので、角ハンガーやハンガーがたくさんあると良いです。買い物には困りません。

 

ウブドは時々お湯が出ますが、シャワーはやはり基本、水です。(笑)こちらも2人一室で快適に楽しく過ごせました。

 

どちらの滞在先にも冷蔵庫はありません。

また付近には犬が多く、たくさん吠えてきますが、走ると習性によって追い掛けてくるので、近付かず静かにゆっくりその場を離れるようにしましょう、とコーディネーターに言われました。夜は活発になるようなので、暗くなってからは外を出歩かないように。

 

■現地の物価について
私は16泊で、5万円弱を使いました。

 

■今後参加する人へのアドバイス、お気づきの点やご要…
ポジティブに活動できる方なら、きっと充実したバリタイムを過ごせると思います。
お腹を壊すのには気を付けてください。(笑)