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セブ島の海上スラム|台風被害記録ページ
このページは下のほうに行くにしたがって新しい情報や写真を載せています。
いったい何がおこったのか!?
2021年フィリピン最大級の台風がセブを通過
12月16日未明に猛烈な勢力に発達したスーパー台風「ライ=フィリピン名オデット」がフィリピン東部を直撃しました。17日未明にセブ島がそれに巻き込まれました。 とくに沿岸部が「修羅場」と化し、家屋が流されました。この台風のためにフィリピン全体で400名近くの方が犠牲になりました。セブ島でSLPCが支援する海上スラムも壊滅的な被害をうけました。この台風被害に関する支援のお願いは下記のページをごらんください。https://www.cecj.net/notice/14327
2021年12月コミュニティが大きな被害
海上スラムの牧師の娘さんから届いた動画(12/17 台風通過後、翌朝の様子)
https://www.youtube.com/embed/JhXlVawjMUA
台風被害を受ける前のコミュニティの様子です。
12月18日、屋根や側壁が吹き飛ばされた教会、海に面していた周りの家々は台風の波と風で消滅しています。教会を管理している牧師一家は現在も教会に残っています。その周りの住民は台風が上陸する前に避難所に移動していたので、難を逃れています。幸いなことに犠牲者はでませんでした。
今回の台風で、一番被害を受けたのが家を流されてしまった海上スラムの住人です。陸地付近の家は残っているので、きっと住人は家を再建していきたいと考えているとおもいます。しかし、この場所に家を建てることの危険はいつもあります。
台風以前の教会の様子です。海上スラムの中心、先住民族のよりどころとして機能していました。
流されてしまった家の辺りで家族のものが残っていないか探す住人のみなさんの様子です。
12/21現在、すこしずつ修復作業にとりかかっています。水も電気もないなか、牧師家族が海から木材をひろって教会の修復作業をしています。海に散らばっている木材を利用し、教会と陸をつなぐ仮の歩道を作りました。満潮時でも陸と教会を行き来できるようになりました。
12/22現在 拾える木材がなくなりこれ以上の修繕ができないと牧師から連絡はいりました。しばらくこのボロボロの状態でいくのでしょうか。キッチンから食器、調理器具などが流されてしまい、コミュニティの子供たち向けに作っていた料理も提供できません。コロナ前は私たちCECもこの教会のキッチンを借りてコミュニティの子供たちに炊き出しをしていました。残念です。
12/24 朝
牧師の家族が海からなんかひろってきている写真が送られてきました。聞いてみると「観葉植物」だそうです。教会に植えていた植物がすべて流されてしまったので、海からひろってきたそうです。あのすさまじい台風の通過からちょうど1週間、大変な中にもすこし心の余裕がでてきたのかなとうれしく思います。
スマホをチャージする電気はどのように補給しているのか(チャージセンターに行っているのか)を聞いたら送ってきてくれた写真です。
この船が海上スラムの住人のために自由に電気を使わせてくれているそうです。
これらの船も台風によって座礁しているようです。大きな高潮の時にタグボートにけん引してもらい海にでる予定だそうです。
教会を修理する合間の食事、教会の1階です。ちなみに写真で使っているテーブルは牧師の娘さんが海からひろってきたものです。12/24の夜セブでは大雨がふりとても寝ることができませんでした。家族はこのテーブルや椅子の下にもぐりこんで雨をよけて寝ました。
食事内容は干し魚、ごはん、そしてインスタントラーメンです。海があるから魚は獲れるのかな(推測です)とてもシンプルな食事ですが、貧困家庭ではこのようなシンプルな料理が一般的です。おかずが少ないので安いコメの消費量が多いです。お米は1KGあたり110円ぐらいで購入できます。
※ 牧師の娘さんに魚を獲っているのか聞きましたが、彼女によると、魚は海のもっと深いところに行かないと獲れないそうです。満潮時でも教会の周りには小さな魚も泳いでないと言っています。干し魚は近くのマーケットで売っている一番安い食材だそうです。
※ 貧困層の家族は、空腹を満たすため安く買えるお米ばかり食べ、おかずが少ないので栄養バランスが悪く、健康状態が悪い子供が多いです。見過ごしがちですが、まだ若いのに歯がボロボロだったり、糖尿病と診断されるケースもあります。
12/26 教会の屋根や外壁が台風で吹き飛ばされてしまったため雨が降ると2階は使えません。この日、日曜日は快晴です。子供たちを集めて集会をすることができました。
2021/12/26 参加した家族はもちろん、いつもよりは少ないですが、集まれること自体が喜びです。
この海上スラムの陸地部分に広い空き地があり、普段は子供たちが遊んだり鶏を飼ったりしています。その場所にいまテントを建てて住民は暮らしています。牧師家族の家は台風で流されてしまったため今は教会で寝泊まりしています。
水はこの井戸から取って体を洗ったりします。沸騰して飲料用にも使用します。
台風から1週間以上経っていますが、セブ市や役場からの支援は全くありません。自分たちで何とかしなければいけません。しかし、争いやケンカなどは起こっていません。
動画 子供たちがイカダで
海が満ちているときはいかだを漕いで船までいってスマホを充電しています。
2022/1/02 教会の屋根が吹き飛ばされたまま手付かずです。セブの雨は時にすごい勢いで(嵐のように)降ります。
いまセブでは夜に雨がふる日が続いています。
牧師の家族は雨が当たらない部屋の隅っこで寝ています。
2022/1/03 皆さまからの寄付で子供たちへの食事提供を始めました。
2022/1/03 子供たちが好きなスパゲティです。
2022/1/03 現在台風の影響で物価がすごくあがっています。それまで45円で売っていた水が、現在は270円で販売されているそうです。一時的なことでしょうが、貧困に苦しむ家族には負担が大きいです。
この海上スラムの住人はコロナの影響で仕事が極端に減っていました。それでなくてもぎりぎりの生活をしていたのに台風で家を流されてしまって、地方政府や役場からの支援は現在まで全くありません。給水車もでていません。他のスラムも被害は出ていますが、海上スラムは飛びぬけてその被害が大きいです。他の地域に比べて家を失った家族の数が圧倒的に多いです。
2022/01/07 吹き飛ばされた屋根を修復するためにトタン板を購入しました。みなさまからの支援金のおかげで少しづつ再建の道を歩みはじめました。支援金は教会の修復の一部として、またコミュニティの家族の健康、衛生などに役立てることができるように利用させていただきます。
2022/01/09 日本人会の会長(松田氏)がコミュニティのために20リットル容量の青いボトル100本分の飲料水を用意していただきました。この海上スラムには先住民族の人たちと、セブの人たちが混ざり合って暮らしています。大きな被害の中ではその民族の違いも取るに足らないものです。混乱も無く給水作業を終えて帰途につかれました。市政府の援助が届かない場所に日本人会の支援が入ったことはこのコミュニティをサポートする立場からすると誇らしく感じます。
2022/01/23 日本人会のサポートもあり、屋根の修復が進んでいます。皆様からの寄付、そして日本人会からの支援により屋根のトタン板はほぼ必要枚数手に入りそうです。屋根にトタン板を取り付けるための金具やクギなども別途購入し支援活動は続いています。しかし、牧師家族の家も、周辺の家族の家も海に流されてしまったために避難生活はそのまま続いています。
2022/01/23 牧師の娘さんも毎日修復作業を手伝っています。教会には海水で冷えた海風がはいってくるため夜寝るときはとても寒く感じるそうです。セブは常夏の場所だから長袖はいらないのかと思いますが実際のところそんなことありません。場所によりさまざまです。
2022/02/04 牧師の娘さんケガしました。牧師の手伝いをしているときに、誤ってさびたクギを踏み込んだとのこと、しばらくしたらみるみる足が腫れてきました。パンパンに腫れて歩けなくなっています。このままでは破傷風になって命の危険があると聞いたので、役所のクリニックで注射を受けさせました。この子たちは破傷風の予防注射は打っていません。無事に回復することを祈ります。
2022/02/04 青山学院の国際協力団体がこの海上スラムの教会や家屋を無くした住人のためにクラウドファンディングを立ち上げました。