参加者レポート
【オーストラリア幼稚園ボランティア】相手の視点に立って考える
◆参加期間 2019年3月16日~4月1日 2週間 ◆20代 女性 ◆N.M 様
◆参加プログラム名◆ オーストラリア幼稚園ボランティア
◆参加動機◆
現在、大学で教育制度について勉強しており、特に海外の教育について興味を持っていて、実際に教育の行われているところに足を運んでその現場を見たいと思っていたことや、子供が好きであること、旅行と語学学校に通う以外の形で海外(英語圏)に行きたかった。
◆印象に残ったこと・感動したこと◆
オーストラリアに行ったのは初めてだったのですが、いい人ばかりでとにかく過ごしやすかったです。わからないことも質問したらわかるまで丁寧に答えてくれて、困っていたら親切に助けてくれました。それはボランティア中も観光中にも感じることでした。
印象に残ったことは、幼稚園での最終日、先生に最後の挨拶をしに行くと、私がこのボランティアを終えた後、これから何をするのか、という話になり、私が大学で教育について学んでいることや、海外の教育事情について興味があること、そしてそこの幼稚園の教育方針が魅力的に感じたということなどを伝えました。
そうすると、先生たちも「あなたはこの幼稚園に派遣されてラッキーだったわね」とか、「私の母国の幼稚園事情はね…」などと、いろんな話をしてくれました。そこで分かったことなのですが、先生たちはそこの幼稚園での仕事に誇りを持っていて、その仕事が好きで働いているようでした。そのように思えることは本当に素敵なところだったな、と思いました。
幼稚園には子供だけでなく、先生たちも、中国やブラジル、イスラエル、バングラデシュなど、さまざまなバックグラウンドを持つ人がいましたが、みんながその違いを気にすることなく仲良くしていました。アレルギーや宗教の関係で給食のメニューが違っても、それが普通だからなのか、皆がそれを受け入れて生活している様子が自分にとっても過ごしやすかったです。
中にはオーストラリアに来たばかりで、英語があまりわからないためほとんど話さない子もいましたが、先生は「今は話さないけど、そのうちぺらぺらと話すようになるわ」と、楽観的で、その子に対する特別なサポートもせずにいましたが、それによる問題も生じていなかったため、正直驚きました。
挙げたらキリがありませんが、多民族国家だからこそ生じる様子を見ることができて、いい経験だったなと思います。
◆大変だったこと◆
私は、特にチャイルドケアについて勉強しているわけではないため、子供との上手な接し方が最初あまりわからず、また子供が喧嘩して泣いてしまったり、拗ねてしまったりしたときに英語でどのような言葉をかけていいのかわからずに苦労する場面はありました。時々、生意気な子供がいたり、結構な力でバンバン叩いてくる子がいてやめてと言ってもいうことを聞かないので流石に腹が立ったのですが、そのような時に感情に任せて怒るのではなく、落ち着いて「やめなさい」と止めなくてはならないので難しく感じました。
また、先生たちはボランティアとしての私を受け入れてはくれているけど、最初のほうは指示を出してくれることもなかったため、棒立ちで眺めるだけ、という場面もあり、そのような時は「自分は何のためのボランティアなんだろう?」と思ってしまうこともありました。それでも、先生の言っていることを真似して子供を慰めたり、自分でシチュエーションをイメージしてその時に使えそうな英語をネットで調べて覚えたりして解決できるように努めました。
また、自分が何もやることがない時は先生に何か自分がすることはあるか聞いたり、自分ができそうなことは代わりにやるよ、と声をかけたりして、断られることもありましたが、代わりにやることになったときは毎回“Thank you!”と言ってもらえて嬉しかったです。それをくりかえしているうちに先生からこれやって、あれやって、と頼まれることも多くなりました。
◆楽しかったこと◆
子供たちと遊んでいるのは本当に楽しかったです。子供たちの言っていることがわかる時とわからない時とで半々くらいでしたが、それでも一緒に遊んでいて本当に楽しかったです。
女の子のごっこ遊びに混ぜてもらったり、男の子とは車のおもちゃで遊んだりもしました。また、中でのアクティビティの時に折り紙を紹介しましたが、折り紙で色々折ってあげるととても喜んでもらえました。
オーストラリアならではの様子として、子供たちは本当に多国籍で、家では英語以外の言語を話しているという子も多かったようです。世界の挨拶を歌う時に、カードをランダムでひいて国を選んでいたのですが、結構多くの国で「この国はあなたがよく知っているわよね」と先生がとある子供に言ったり、進んで自分の言語の挨拶をみんなに紹介したりなどしていたのが面白く感じました。
遊びの時間の時も、同じバックグラウンドを持つ子供同士で固まったりするのではなく、みんなが色んな子と遊んでいて、新鮮な光景でした。
ステイ先の話をすると、私以外に留学生は3人おり、それぞれ中国人、タイ人、ロシア人だったのですが、みんなで他愛のない会話をしたのが楽しかったです。英語でしりとりのようなものをして1時間ほど盛り上がったのはとても思い出深いです。
◆持ち物について◆
折り紙は子供たちにとっては少し難しいとも感じられますが、応用が利くので持っていくといいと思います。私も折り紙しか持っていきませんでしたが、折ってもらう以外にも貼り絵や、色がもともとついているのでそこに絵を描いてもらうだけでも楽しんでもらえました。また、日本の昔話の絵本を持っていったら喜んでもらえた、と言っている友達もいたので、折り紙だけに限らず色々と持っていけばよかったなあとは思います。
日常生活では、ティッシュは多めに持っていくべきだと思います。現地で調達するにはそもそもオーストラリアは物価が高いので結構負担になります。また、私が参加した時には夏から秋への移り変わりだったので、とにかく朝と昼との気温差が激しかったです、なので、その時期に参加される方は上に羽織るものは必須です。
お天気雨もよく降ったので折り畳み傘もあるといいと思います。3月はまだ海で泳げる時期なので、海で泳ぎたいという方は水着も持っていくべきです。
お風呂で使うバスタオルや、シャンプー・リンス・ボディソープは、家庭によっては貸してくれるところもあるみたいですが、基本的に自分で持って行ったほうがいいと思います。現地で調達してもいいとは思いますが、先ほども言ったように結構高く感じます。
ボランティア中も観光中も、とにかく日差しが強いので、帽子とサングラスと日焼け止めは絶対に持って行ったほうがいいです。ビーチに行った時に黒いズボンと黒い靴を履いて行ったのですが、今にも燃えそうなくらいに暑かったので気をつけてください。笑
◆現地での服装について◆
私が行った時期は夏の終わりかけ(秋になる頃)だったので、洋服には結構苦労しました。普段はズボンと半袖のTシャツの上にパーカーを着たり、少し肌寒い日は長袖に変えたりしていました。
外遊びの時間が多かったり、中での活動では絵の具や油性ペンを使うことが多かったので、汚れてもいい服がいいです。子供たちは砂場で遊んだり絵の具を使ったアクティビティをした後にそのままの手で駆け寄ってきたりもするので、汚れが目立つ洋服はあまりおすすめしません。
先ほども書きましたが、朝昼夜全て気温差が激しすぎるので、朝寒いからと行って厚着していたら昼は暑いし、かと言って昼暑いから朝薄着をしていたらとてつもなく寒いので、本当に脱ぎ着しやすい格好をしていた方がいいと思います。
観光地では、ブルーマウンテンズはシティの天気とはまた別で把握しておいた方がよく、それも山ということもあって寒いので、厚手の上着が必要だと思います。
◆現地の物価◆
●食品・日用品・外食・交通費etc・旅行に行かれた方はその費用など
総額で30万前後
●現地での費用は一日どれくらい必要でしたか?
1日の費用は日によって変わるのでわかりませんが、交通費は通勤・観光全て合わせて2週間で7000円くらいでした。
食費に関しては、毎日サンドイッチを作りたかったのでスーパーに行きましたが、パンは安かったけれども他の食品(チーズやベーコンなど)は結構高かったです。特に、飲み物は相当高いので、休日も水筒に水を入れて持って行っていました。
レストランなども、日本円で換算すると結構高く感じられるかもしれません。安く済ませたい方はSUBWAYがおすすめだそうです。笑
日用品も決して安い額ではありませんでした。なので、水筒やタッパーなど、日本から持っていけるものは持って行くことをおすすめします。
観光は動物園などに行きましたが、チケットはオンライン購入しておくと定価よりも安くなっているものなどがあったので、ネットや旅行案内所などで調べておくとお得かもしれないです。
最後に、支払いについてお話します。オーストラリアは現金必要ないんじゃないのかっていうくらいにカードを使える店が多いです。マーケットでも現金だけしか使えないかな、と思っていましたが、カードが使えたので、現金がなくても実際全然問題ないです。
ただ、もしもの時の安心材料として持っていた方がいいとは思います。また、私は現金を手に入れる時に両替所に行って両替するのではなく、ATMから引き出しましたが、手数料も思ったより安かったです。
◆ステイ先の情報・感想◆
ステイ先にはホストマザー、ホストファザー、そして時々息子がおり、主にマザーがお世話してくれていました。
私のほかにも3人留学生がおり、結構ホームステイを多く受け入れているようで、正直ビジネスでやっている感じが否めませんでした。
部屋はホコリまみれで、洗面所もきれいとは言えませんでした。留学生が使うダイニングルームのスポンジが汚く、また食器を拭くタオルもなかなか変えてもらえず、留学生同士で相談したりもしていました。ディナーの後の食器洗いは留学生たちでやることになっていたのですが、キッチンの流しの備品も基本的に汚くて不快でした。
ご飯も毎回用意してくれていましたが、量が少なかったり、一回朝ごはんにカビが生えたホットケーキを出されて驚きました。それでも、マザーは「すべてに対応することは難しいから、少しは文化の違いを受け入れてね」と言っていたので、留学生たちで相談したり感想を言い合いながらなんとかやっていました。ステイ先の留学生とはとても仲良くなり、一緒に散歩したり、家ではよく話したりしていました。
ステイしていた場所は田舎の閑静な住宅街で、治安はとてもよかったですが、バスの本数が少なく、シティに出るには1時間ほどかかる場所だったので、少し不便でした。
でも、ボランティア活動や日常生活をするうえではとてもいい場所だったと思います。幼稚園も近くで、通勤にはあまり時間がかかりませんでした。バスが順調で早く着きすぎてしまった時などは、幼稚園の近所にあった個人経営のカフェでコーヒーを飲んだりしていました。
ゆったりとしていて、店員さんもお客さんもみんなニコニコしていてシドニーの人々の良さが感じられて楽しかったです。
◆ボランティア活動に関して◆
9:00 出勤、外遊び
10:00 モーニングティー、外でピクニックのように食べることもありました。
11:00 室内での活動、人数が少ない時には続けて外遊び
12:00 ランチ 終わった子からお昼寝、寝ない子や起きた子は静かに本を読んだり絵を描いたりしていました。
15:00 アフタヌーンティー
15:45 外遊び
16:00~16:30 この後も子供たちはお迎えを待っていましたが、私はこの時間に退勤していました。
モーニングティー、ランチ、アフタヌーンティーのときには基本的に子供たちがきちんと手を洗っているかを確認したり、配膳のお手伝い、食べている途中には、子供たちと一緒に座って話したり、おかわりなどの要望を聞いたりしていました。食べ終わった後には、机拭きや床掃除、食べこぼしなどを掃除していました。
外遊びの前には、子供たちが日焼け止めを塗っているか、そして帽子をかぶっているかの確認や、日焼け止めを上手く塗れない子に関しては塗るお手伝いなどもしていました。
室内での活動では、まず最初に先生が本を読んだり、自作の話でちょっとした授業のようなこともしていました(車には気をつけよう、とか、水遊びのときは何に気をつけなくてはならないか、など)。その後に、その話にまつわる活動を行うのですが、その時に使うものを用意するお手伝いもしていました。
それ以外の時は基本的にずっと子供たちと遊んでいました。遊んでいる最中にケンカの仲裁をしたり、おもちゃの片付けなどもしていましたが、子供に付いている時間が長かったです。
◆事前準備に関して◆
ポケットWi-fiはやはり持っていると便利です。道に迷った時や観光中はもちろん、ステイ先のWi-fiを使うのに使用料を請求されることもあるので、それが面倒な方は持っていくといいと思います。ただ、電話はアプリを通さないと使えないのでそこらへんは不便に感じることも多いです。また、家で過ごすのにはスリッパやビーサンが楽でいいと思います。
活動中はもちろん英語ばかりなので、最低限の英語力は必要だと思います。とはいっても、もし指示を出されてわからなかったとしても、簡単な英語で言ってくレますし、子供たちの言っていることがわからなくても一緒に遊んでいるうちに仲良くなれるので、そんなに心配する必要もないです。分からないから何もしない、のではなく、どんどん自分から参加して行くことが本当に重要だと思います。
幼稚園に持って行く日本のおもちゃ・本などについては、なるべく簡単で、誰でも楽しむことのできるものを持って行くべきだと思います。私は折り紙しか持っていなかったので、折る以外にどのように使ったら楽しんでもらえるかを調べたり考えたりしなくてはならなかったので結構大変でした。
絵本は、年齢にもよりますが、文字を読めない子が意外と多いので、絵がメインでストーリーが理解しやすいものを持って行くといいと思います。自作の紙芝居を持って行っている人などもいたみたいです。
◆今後参加する方へのアドバイス◆
参加するからには、とにかく自分から動くこと!指示がもらえないのは、元々ボランティアなしで幼稚園内での仕事が回っているから当然のことです。何を自分がやりたいか、または何をやったら先生や子供が喜んでくれるかなど、相手の視点に立って自分のするべきことを考えて動くといいと思います。
そして、参加するのはオーストラリアの幼稚園です。でも、地区によっては子供たちの国籍が偏っていることもあるみたいです。違いを認識してそれを受け入れて、楽しく活動してください。
子供たちは本当にかわいいです。自分からどんどん声をかけに行って、名前を覚えてあげてください。仲良くなると、遊ぼう!と言って駆け寄ってきてくれてとてもとても嬉しいです。たった2週間でも、みんなと別れるのが本当にさみしかったです。それくらい、素敵な経験ができました。
ボランティアのない休日は、休むのもいいですが、ぜひ観光に行ってください。シドニーは観光地がシティに集まっていたので回りやすかったです。オペラハウスやハーバーブリッジはもちろんのこと、動物園では、起きたコアラがユーカリの葉を貪る様子や、柵のない至近距離で跳ねるカンガルーを見ることが出来ました。世界遺産にも指定されているブルーマウンテンズを歩き回ったことは貴重な経験でした。
◆その他◆
平日はボランティアで一日潰れてしまう分、休日は思いっきり遊んでいました。私はシティ観光をしたり、タロンガ動物園、ブルーマウンテンズ、マンリービーチなどに行きましたが、どこも楽しかったです。
最終日は飛行機が夜の便だったので、セントラル駅に荷物を預けて最後にシティを回っていました。また、木曜日には私たちをボランティアとして幼稚園に派遣してくれているエージェンシーのオフィスで集会があり、そこでいろんな情報交換をしていました。
オフィスがシティにあるので、集会の後にシティをぶらぶらしているのも楽しかったです。
ブルーマウンテンズ、2時間くらいかけて歩き回りました。曇っていたのが残念でしたが、時々雲が消えて空が明るくなるとき、景色がとても綺麗でした…!
タロンガ動物園にて。至近距離でカンガルーを見ました。柵がないので、観光客が歩く道を横切って行ったりするのでちょっとびっくりしました。笑
マーケットにも行ってきました。お天気が良く、お客さんも多くて出店もどれも可愛らしかったです。可愛くて安いスマホケースを見つけ、思わず買ってしまいました!
Manly Beachにて。ステイ先の留学生たちと撮りました。みんな歳が近く、それぞれ目的を持って学校に通ったりしていて、英語も流暢に話すので自分にとっても英語を頑張ろうという原動力にもなりましたし、なんせ話しているのがとても楽しかったです。
最終日、マザーが1時間だけ家の電気を全て消して過ごそう、と言い始めて(おそらく環境にいいことをしようという日だったと思います)、その時に留学生みんなで同じ部屋に集まって1時間ずっと英語のしりとりをしていました。ものすごく盛り上がって1時間があっという間でした!
最初は2週間という短い期間だということもあって参加するか否か迷っていましたが、短い期間でも十分楽しめましたし、思い切って参加してみてよかったと思います。このプログラムに参加する上でお世話になった方々に感謝申し上げます。
本当に、ありがとうございました!