参加者レポート
セブ地域開発活動2019年3月(ぜひお読みください!)
■参加した国
フィリピン セブ
■参加しようと思ったきっかけは?
海外ボランティアに興味があったのと、自分が教員を目指していたので、とても自分に合ったプログラムだと思い参加しました。
■活動内容と、その活動時間等
それぞれ日によって活動の違いがありましたが、ほとんどの日に子どもたちと関わる機会がありました。
1日目:移動日・簡単なオリエンテーション
2日目:現地の高校見学・サントニーニョ教会の見学とストリートチルドレンとの交流・CFAフィーディング(墓地とスラム)
3日目:海上スラムで子どもたちと交流、フィーディング・山村集落で家庭訪問、子どもたちとの交流
4日目:フリー、ヒルトゥガン島のビーチで遊んだり、海に潜ったりしました。
5日目:保護施設訪問、子どもたちと交流・語学学校の見学
6日目:ドライフルーツ工場の見学・ゴミ山訪問・カレッタ墓地にて家庭訪問、子どもたちとの交流、フィーディング
7日目:移動日、帰国
というスケジュールでした。
■参加期間中の面白い発見、感動したエピソード
一番印象的だった思い出は海上スラムです。海上スラムでは足場が悪く、竹や木を組んで足場ができているのですが、そこら中にガタガタな場所があり、大丈夫そうに見える足場も突然壊れることがあるので大変でした。実際、僕は踏んだ場所が悪く、足場が崩落して片足がはまってしまいました。幸い軽い怪我で済んだので、今となっては笑い話ですが、そこで生活されている人たちはいつもそんなリスクと隣り合わせの生活をしておられることを思うと、笑い話だけで終わらせてはいけないと感じました。
一番記憶に残ったのは山村集落での家庭訪問です。ある家庭のお母さんに話を聞いたのですが、「お母さん」といっても僕より年下で、それでいて1人の娘とお腹に子どもを抱える女性でした。その方に「一番幸せを感じる時はいつですか?」と尋ねたところ、真剣な表情で「たくさんあるなぁ」と仰って、しばらく考え込んでしまいました。僕にはその答えが衝撃的で、もし自分が同じ質問をされたら「幸せな時、あるかな」と思ってしまったことでしょう。たくさんある、なんて言えなかったと思います。ですが、今回のボランティアを経て、幸せがなかったのではなく、幸せはあるのに、自分がそれに気づいていなかっただけだとわかりました。というのも、このお母さんに限らず、出会った多くの人が、大変貧しい生活を送っているのにも関わらず、皆さん「幸せだ」「自分を愛している」と答えられていたからです。友達と一緒に過ごしたり、家族とともに生活することは幸せなことなのです。彼らはそれを当たり前ではなく、1つの幸福として受け止めていました。これまで私はそういう幸せを、当たり前だと一蹴し、あたかも幸せではないように感じていたのです。おかしな話ですが、「幸せな時はいつですか?」と尋ねた本人が、幸せな時とは何かを理解していなかったのです。とても良い気づきになりました。
■今回の参加で感じた現地(人々等)の良い点
日本人と比べると、本当に皆さん幸せそうで、何より自分を大切にされています。それは人として当たり前のことかもしれませんが、日本では謙遜の文化がありますから、なかなか自分を素直に認めてあげられない、愛してあげられないことが多いと思います。その点、フィリピンの人たちはまっすぐ自分を見つめ、大切にしながら生活しておられます。それが一番現れるのが彼らの笑顔です。くしゃっと破顔するような笑顔を見るだけで、こちらも楽しい気分になる。そういう人たちだと感じました。
■今後参加される方へのアドバイス
個人的にあって助かったのは軟膏でした。日焼けが痛い場所に塗ったり、軽いすり傷に塗ったりと、大活躍でした。
また、トイレがどこにでもあるわけではないので、最悪の場合に備えて携帯トイレを持っていると安心かもしれません。
子どもたちとの交流で一番必要だったのは「体を動かせる」簡単なおもちゃです。縄跳びが特に子どもたちに喜ばれました。トランプやシャボン玉も喜ばれますが、遊び終わった後にそこら中にトランプのカードやシャボン玉を吹く棒が捨てられているのを見ると、本当に子どもたちに必要なのはこれなのかなと思いました。
■その他、お気づきの点
参加される方々の多くは「貧しい子どもを助けたい、支援したい」という思いで参加されると思います。僕もそんなことを考えて参加した1人です。正直、心の中では「かわいそうな子どもたちなのだろうな」と思って参加していました。しかし今回のボランティアを経て、一番思ったのは「この出会いの中で、一番かわいそうなのは自分ではないか」ということです。先にも述べましたが、スラムや墓地の人々は確かに極めて貧しい生活をしていますが、自分のことを大切にし、毎日たくさんの幸せを感じておられます。僕は日本で、はるかに物に恵まれて、はるかに清潔で、はるかに安全な場所にいるにもかかわらず、自分が幸せだと感じたことがほとんどありませんでした。フィリピンで出会った人たちのほうが、精神面で僕よりよっぽど満ち足りた幸せな生活を送っていたのです。それに気づいたこの経験は、間違いなく僕の今後の人生に大きな影響を与えていくと思います。百聞は一見にしかずと言いますが、現地に行ったからこそ得ることができたこの出会いは、本当に大切なものになりました。
ですが、事実として、やはりフィリピンを考えると貧困の問題は切っても切り離せません。子どもたちは毎日、食べ物のことを考えて生活し、多くの子どもが学校に行くことさえ叶いません。貧しいから勉強できない、勉強できないから貧しいという貧困のループが根強くあります。この一回のボランティアだけではなく、できることなら継続的な支援をしていかなくてはいけないと強く感じました。
20代 男性
※スタッフより:素敵な感想レポートをありがとうございました!スタッフ一同、思わず涙が・・・
海上スラムの足場についてはCECが支援する現地NGOのSLPCより、修繕のための寄付をさせていただきました。スラムの方々の生活が少しでも向上することを願っています。